ノンダの飲み歩き「女将酒場その弐」の巻

千葉県は船橋にある、とある小さな食堂。食堂という看板と暖簾を掲げてはいるが、地元の客は使い勝手を良く知っているようで、昼飲みもできる食堂だ。実際昼時は定食を食べている客が多いが、その客に紛れ明るいうちから盃を傾ける客もチラホラ。昼どきを過ぎればアイドルタイムなどはなく通し営業のこの店は、食堂から居酒屋、いや小料理屋と化すのである。
古めかしい店内、トイレは店の奥、小さな居間を通り過ぎたところにある。店もそうだが、なんとも昭和な香りがプンプン。アラフィフの私には、子供時代にタイムスリップしたようにも思えるなんとも懐かしい雰囲気。

いい感じのファサード、というか店構え
陰翳礼讃とでも言いたくなる昭和なトイレの電気

さて、寒い冬はとりあえずビールなんてものは割愛して、とりあえずの熱燗と湯豆腐。ビールグラスに注がれた並々の日本酒。日本酒マニアに言わせれば、人肌燗だの燗のつけ方具合にも色々とこだわりはあるようだろうけれど、長年の感なのか、なんとも絶妙、申し分なし。湯豆腐が出来上がる間に出てくるのはお通しではなく、おかみさんが漬けたぬか漬け。聞けばこのぬか床はなんと50年以上という代物だそう。「このぬか床のおかげで、夏場なんかは特に、旅行にすら行けないのよ」と、我が子を語るように微笑む。

主役は50年物のぬか漬け。これを前にすると熱燗は脇役に
昭和の食卓に出てきそうな湯豆腐

この店の2代目となる店主である女将さん。いや、女将さんというより、おかあさんと呼ぶ方がしっくりくるので、おかあさんと湯豆腐をつまみながらカウンター越しに世間話。後を継ぐ娘婿もおらず、長年守り続けた暖簾もおかあさんが店に立てなくなったら、その暖簾をたたんでしまうとのこと。なんとも寂しい限りだけれども・・・。

なんだかおばあちゃんの家にいるみたい

日本酒と湯豆腐とおかあさんとの会話で、心も体も温まり、もう一杯だけ。レモンサワーを頼むとおもむろに、キンミヤとハイサワー。「おかあさん、いいね!キンミヤとハイサワーって昭和な感じでさ」というと、「アタシはお酒飲むけど、よくわからないのよ、キンミヤっていうのこの焼酎?」ってな感じで無頓着。でもしっかりグラスもキンミヤじゃんね(笑)

ここではハイサワーがまた妙にしっくりくるわけでして

「あとこれ知ってる?わ~る~な~ら~ハイサワー♫」ってコマーシャル」と聞けば、「ああ、なんかあったわね少し前にテレビで聞いたことある」ときたもんだ。ちょっと前ね、多分、2~30年前になるんじゃないかな?このコマーシャル見たのって(苦笑)

いいな、昭和の雰囲気漂うこういうお店。できる限りお元気で続けて欲しいな